保育園の看護師

看護師の働き方のひとつに、「保育園の看護師として働く」という選択肢があります。こちらの記事では、保育園で働いている看護師の仕事内容や年収、働くメリットなどをまとめていますので、看護師として転職を考えている方は、働き方のひとつとして参考にしてください。

保育園の看護師とは？

保育園の看護師は、厚生労働省により配置基準が定められています。例えば私立保育園の場合は看護師の配置が必須となっていますが、公立保育園の場合は義務付けられていません。ただし、安全確保の観点から、厚生労働省は看護師を設置することを推奨しています。

保育園で働く看護師の仕事内容

園児の体調管理や指導

園児の体調管理や、食事のアレルギー対応などを行います。特に食事の提供がある保育園の場合は、アレルギーへの対策が必要です。

日常的な健康管理の一環として、手洗いやうがいなどの衛生指導も担当します。さらに、保護者に対しても「保険だより」などの配布物を作成することにより、家庭に向けた健康管理・衛生管理などの保健指導も行います。

健康診断や歯科検診の補助

保育園で実施される健康診断や歯科検診のサポートも保育園で働く看護師の仕事です。医師のサポート、記録、保護者への結果報告を担当するとともに、これらの結果を衛生指導に活かしていきます。

園内の衛生管理

子どもたちが触ると考えられる、教室内や水道、トイレなどの衛生確保と維持も行います。また、園内で事故やケガが発生しないように、危険と思われるものがないかも確認しておきます。

周りのスタッフの健康管理と保育補助

保育園で一緒に働いている保育士・他のスタッフの健康管理も担当します。健康診断などがある場合には、病院との連絡調整業務を担当したり、スタッフの体調の観察なども行ったりします。

そして、保育士と同じように子どもの保育を担当する点が、保育園で働く看護師の大きな特徴といえます。体調変化が起こりやすい0〜1歳児を担当することが多い傾向があります。

保育園の看護師の年収

こども家庭庁の調査によると、保育園で働いている常勤看護師の平均給与額は下記の通りです（賞与込み）。

• 公立保育所：396,931円
• 私立保育所：340,142円

この金額をもとに年収を計算すると、公立保育園は約476万円、私立保育園は約408万円となります。

また厚生労働省の調査によると、全国の常勤看護師の平均給与は下記の通りです。

• きまって支給する現金給与額：351,600円
• 年間賞与その他特別給与額：862,100円

この金額から全国の常勤看護師の平均年収はおよそ508万円となっており、保育園看護師よりも32～100万円ほど上回っているという状況です。

さらに、非常勤の保育園看護師の平均給与額（賞与込み）は下記の通りです。

• 公立保育所：208,389円
• 私立保育所：248,833円

公立保育所と私立保育所を比較すると、私立保育所の保育園看護師の方が平均給与額が上回っているという状況になっています。

※参照：
e-Stat｜幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査（https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00100110&tstat=000001156146&cycle=0&tclass1=000001156167&stat_infid=000032108249&alpha=20&tclass2val=0）
e-Stat｜賃金構造基本統計調査（https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001202310&tclass2=000001202312&tclass3=000001202329&tclass4val=0）

保育園の看護師のやりがい

保育園で働く看護師の場合、なんといっても子どもたちと密接に関われる点がやりがいにつながっていきます。特に、子どもが好きな人であれば、より仕事を通じて充実感が感じられます。

また、日々の健康管理や疾病予防を行っていくことによって、保育の質向上に貢献できる面もありますので、これまでの看護師としての経験を活かせる職場であるといえます。

保育園の看護師になるには

保育園看護師に向いている人の特徴としては、例えば「小児科勤務経験がある」「子育て経験がある」「子ども好き」といった点に加えて、「判断力や責任感がある」という点も挙げられます。

これは、保育園によっては看護師の仕事内容がマニュアル化されていないことがあるため。そのような場合には、日々の園児の健康管理や衛生管理などには何が必要なのかを自ら考えて判断し、仕事を作っていかなければならないからです。

保育園で働く看護師のメリット

保育園は夜勤がなく残業も少ない傾向があるため、仕事とプライベートのバランスが取りやすい点がメリットです。子育て中だったり介護をしていたりしてプライベートが忙しい人も働きやすいといえます。

また、保育園看護師の場合、応急処置などを行う場面もありますが、採血など病院で行うような医療行為は行いません。そのため、しばらく看護師の仕事から離れていてブランクがある人も働きやすいです。

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