フィールドナース（クリニカルスペシャリスト）

臨床で培った医療の専門能力を活かし、医療機器メーカーなどに就職して自社製品のプレゼン等を行うフィールドナース（クリニカルスペシャリスト）。新たな自分の可能性にチャレンジしてみたい看護師や、病院勤務が向いていないと感じている看護師などから、近年、フィールドナースという仕事が注目されています。

フィールドナース（クリニカルスペシャリスト）とは？

フィールドナースとは、医療機器メーカーなどに所属して自社製品の営業を行う職種を言います。クリニカルスペシャリスト、クリニカルコーディネーターと呼ばれることもあります。

より厳密に言えば、営業そのものを担当する職種ではなく、営業担当者に同行して医療の専門的な立場から自社製品の説明を担当する職種となります。

看護師の資格を必須とするわけではありませんが、看護師の有資格者は就職にも業務にも有利になるでしょう。

フィールドナース（クリニカルスペシャリスト）の仕事内容

自社製品（医療機器）のデモンストレーション

何らかの医療機器の導入を検討している医療機関に対し、展示会等に来場した医師・看護師らに自社製品のデモンストレーションを行います。製品の使い方や他社製品との違いを説明し、自社製品の導入を前向きに検討してもらうよう促す仕事です。

自社製品（医療機器）のプレゼンテーション

自社製品を導入してほしい医療機関等に赴き、導入の意志決定権のある相手（理事長、医師、事務長など）の前で、パワーポイントや各種資料などを使って自社製品をアピールする仕事です。単なる製品の宣伝ではなく、近い将来の契約へと導く意識を持ってプレゼンを行います。

自社製品（医療機器）を導入した顧客へのアフターフォロー

自社製品を導入した医療機関等に対し、動作説明やトラブル対応などをはじめとした各種の説明・研修を行います。単なる操作方法の説明に終わらず、現場の状況や特性も踏まえた活用法を提案すれば、顧客との信頼関係も深まることでしょう。

フィールドナース（クリニカルスペシャリスト）の年収

フィールドナースの年収は、本人の経験や年齢、営業成績、就職した企業の給与規定により大きく異なります。

一般的には年収400～600万円程度と考えられますが、本人の実力と企業の方針次第では年収900万円くらいとなることもあるでしょう。リーダーやマネージャーに昇格すれば、年収1000万円超も夢ではありません。

フィールドナース（クリニカルスペシャリスト）になるには

クリニカルスペシャリストとして働くうえで、必須となる資格はありません。企業が提示する応募条件に適っていれば、誰でもクリニカルスペシャリストを目指すことが可能です。

ただし、仕事自体が医療機器等に関する営業になることから、医療知識や医療現場での経験が豊富なほど就職が有利になることは否めません。結果として、看護師や何らかの医療系資格を持った人のほうが、クリニカルスペシャリストになりやすいと言えるでしょう。

フィールドナース（クリニカルスペシャリスト）のメリット

病院看護師とは異なる第一のメリットは、生活リズムが安定すること。フィールドナースは一般会社員なので、夜勤はもちろんのこと、通常は土日祝日も休みとなります。多少の残業があっても、仕事の段取り次第で定時上がりも可能でしょう。

また、基本的にフィールドナースは営業職となるため、数字次第では給与を大幅アップさせられる点もメリットと言えるでしょう。病院看護師の場合、仮に何らかのインセンティブ制度があったとしても、営業職とは異なり先輩や上司を超えるほどの給与アップは望めません。

フィールドナース（クリニカルスペシャリスト）のデメリット

フィールドナースの大きなデメリットは、求人が少ないこと。多くの求人は東京や大阪、名古屋などの大都市圏に集中し、かつ求人の絶対数が少ないため、競争倍率が高くなり内定を獲得することは容易でありません。

一方で、病院看護師は全国どこでも慢性的な人材不足に陥っているため、よほど高望みをしない限り、どこに住んでいても就職に困ることはないでしょう。フィールドナースとして働きたい方は、こまめに求人情報をチェックし、いつでも就活できるよう常に臨戦態勢を張っていることが大切です。

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