治験コーディネーター（CRC）

こちらのページでは、治験コーディネーター（CRC）の仕事についてご紹介していきます。仕事内容ややりがい、年収に加えて、治験コーディネーターになるには資格は必要なのか？という部分についてもまとめました。

治験コーディネーター（CRC）とは？

「治験コーディネーター」とは「CRC」とも呼ばれますが、これは「Clinical Research Coordinator」を略したものです。製薬会社が新しい薬を開発する際には、最終の段階において人の体への有効性・安全性を確認する、という目的のために臨床試験（＝治験）を行うことになります。

この治験を行う際に調整役を務めるのが「治験コーディネーター」と呼ばれる存在です。治験コーディネーターは、主に医療機関で仕事を行いますが、治験は数ヶ月から数年といったように長い期間かかるものであるため、基本的には1つの治験を担当します。

治験コーディネーターの仕事内容

治験コーディネーターは下記のような流れで仕事をしていくことになります。

治験の準備段階

治験を実施するにあたって、治験実施計画書（プロトコル）を理解し、スタートアップミーティングの補助や検査機器の管理を行います。

治験を実施する段階

治験を実施するにあたり被験者を募集します。募集は医師からの紹介や医療情報システムから探す方法、新聞やインターネット広告を利用する方法などがあります。その後、治験の説明文書と同意書の作成や被験者のスケジュール管理、症例報告書（CRF）の作成を行います。また、治験を開始した後に副作用など好ましくない有害な反応が見られた場合には、報告書の作成などの対応を行います。

治験が終了した段階

治験が終了したら、治験終了報告書の原案作成を行います。この報告書には、治験のステータス（終了・中止・中断）、実施例数や目標とする被験者数、治験結果の概要を記載します。作成した原案は治験責任医師が確認した上で、治験を実施した医療機関の院長に提出します。

治験コーディネーターの年収

全国の求人情報を一括検索できるサイトを運営している「求人ボックス」の調査によりますと、治験コーディネーターの年収は正社員で平均439万円となっています。月給換算した場合37万円程度が相場です。

ちなみに、派遣社員の場合は平均時給が1,952円、アルバイトやパートの場合は平均時給が1,430円です。

参考：求人ボックス 給料ナビ「治験コーディネーターの仕事の年収・時給・給料」 （https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/%E6%B2%BB%E9%A8%93%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%B9%B4%E5%8F%8E%E3%83%BB%E6%99%82%E7%B5%A6）

治験コーディネーターのやりがい

治験コーディネーターとして仕事をしていく中では、製薬会社や医療機関の関係者、被験者といったようにさまざまな人とコミュニケーションを取りながら治験を進めていくことになります。被験者の身近な存在として治験に対する不安な心情をケアしたり、スムーズに治験を進めていけるようにサポートするのも治験コーディネーターの役割です。調整役として治験のさまざまな面を支えていく部分にやりがいを感じる方も多いといえるでしょう。

また、治験は新しい薬の開発のために行われるものですので、医療分野に貢献できる点にもやりがいを感じられるはずです。

治験コーディネーターになるには

治験コーディネーターには特別な資格は必要ありません。しかし、医学や薬学、医療システムに関する知識と理解が求められることから、医療系の資格を持っている人や病院での勤務経験を持っている人が優遇される傾向にあります。

また、「日本SMO協会公認CRC制度」といったような認定資格を取得する人も増えているといわれています。治験コーディネーターを目指す人はこのような資格の取得を目指してはいかがでしょうか。

治験コーディネーターのメリット

治験コーディネーターとして働くメリットとしては、「夜勤がない」「基本的には土日休み」といった点が挙げられます。そのため、家族など周りの人との予定を合わせやすいという面があります。また、多彩な領域の治験に関わりますので、さまざまな疾患や新しい薬について学べますし、多くの人と連携する必要があるため、自分の視野を広げることにも繋げられるでしょう。

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